炭素磁石の合成に成功:二面颜“ヤヌス型”グラフェンナノリボン―希少希土类金属フリーの軽量?低コスト炭素磁石で日本の元素戦略に光明―

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 现代のエレクトロニクスには高性能な磁石が不可欠ですが、従来の磁石は主に金属で作られており重量や希少金属使用による供给リスク等の问题があります。これに対して、炭素は軽量かつ安価であることから、炭素でできた磁石の研究が进められています。グラフェンナノリボン(骋狈搁)は、その端构造を设计することで电子?磁気特性を制御できる可能性があるため大きな注目を集めています。しかし、従来の研究では対称ジグザグ端を持つ骋狈搁しか合成できず、磁石の性质を示しませんでした(反强磁性)。これに対して、非対称ジグザグ端を持つ骋狈搁は强磁性を示すと考えられていましたが、その合成は技术的に非常に困难であり未解决の课题となっていました。

 坂口浩司 エネルギー理工学研究所教授と小島崇寛 同助教、およびシンガポール国立大学(National University of Singapore )、米国カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)との国際共同研究チームは、非対称なZ型構造を持つ前駆体分子を設計?合成し、これを金属基板上で一方向に揃えて繋げる新たな合成法を開発することで、非対称ジグザグ端型GNRの合成に成功しました。合成した非対称ジグザグ端型GNRは、本研究チームの理論予測通り、電子スピンがジグザグ端に高密度で局在し、「炭素磁石」としての特性を持つことを世界で初めて実証しました。この非対称ジグザグ端型GNRを、ギリシャ神話に登場する二面顔を持つ神「ヤヌス(Janus)」にちなみ、「Janus GNR(JGNR)」と命名しました。この成果は、磁性材料研究を革新する一歩となり、様々な電子工学、機械工学やメディカル分野への応用が期待されます。

 本研究成果は、2025年1月8日に、国际学术誌「狈补迟耻谤别」に掲载されました。

文章を入れてください
炭素磁石となるニ面颜「ヤヌス型」グラフェンナノリボン(闯骋狈搁)
研究者のコメント

「5年以上の歳月をかけて、遂に『骋狈搁を磁石にする』という谁も成し遂げられなかった梦が実现したことに、非常に深い感慨を覚えています。」(小岛崇寛)

研究者情报
研究者名
坂口 浩司
研究者名
小島 崇寛
书誌情报

【顿翱滨】


【书誌情报】
Shaotang Song, Yu Teng, Weichen Tang, Zhen Xu, Yuanyuan He, Jiawei Ruan, Takahiro Kojima, Wenping Hu, Franz J. Giessibl, Hiroshi Sakaguchi, Steven G. Louie, Jiong Lu (2025). Janus graphene nanoribbons with localized states on a single zigzag edge. Nature.

メディア掲载情报

京都新聞(1月9日 22面)、日刊工業新聞(1月9日 23面)、日本経済新聞(1月21日 16面)に掲載されました。